第壱話 かなしみ、襲来

勤務先の事務所には営業マン数人と

わたしともう一人女性の事務員がいる。

彼女にはバツイチで子どもがいる。

学校行事のある時期(直近でいうと4、5月)は休みが多い。

大変だろうな、とは思う。

母親になるだけでもたくさんの苦労があるだろうに

(自分の母親を見てとても感じることだ）

父親の役目を果たさなきゃいけない。

稼がなきゃいけない。

いつか自分が親になったとき、働きやすい環境であってほしいと願うからこそ、

理解したいし、協力したい気持ちはある。

不妊治療で休みをとりたい日にちは目安くらいしかつかめなくて

わたしの場合は大体が数日前の申請になる。

前もって分かるお子さんの行事で休み申請を出されていると

休みづらくて1周期逃してしまうこともある。

期限内に仕事は終わらせなきゃいけないし、

まわりに迷惑はかけれないから仕方がない。

人にはいろんな悩みとか苦しみとかかなしみがあって

いちいちそれを言葉にしないし(ブログは別)

なにも問題を抱えてないなんてきっとない。

それを踏まえた上で、

お互いを尊重してうまくやっていかなきゃ成り立たないのに。

『わたしがシングルマザーだってこと、忘れないでください』

彼女はたびたびそういう主張をする。

大変なんですアピール。

上を見ても下を見てもキリがないけど、

あなただけじゃないんだよ

と気づいてほしい。

言ったことあるけど、その主張、止まることがないから、

多分一生気づかないんだろうな。

この世に『自分だけ』なんてない。

そんな特別感、間違って持ちたくない。

わたしも不妊大変なんですアピール出てたらどうしよう、

とか不安になる。

そんな無様、見せたくないけど、今のわたしはどう映ってるんだろう。